JR新潟駅 新しいエキナカ商業施設と周辺開発の注目度
2021年02月26日
前市長の時代から、公式の場での発言は初かもしれない。中原八一市長がJR新潟駅の新しい駅舎に入る商業施設について言及した。その後、建設業界紙が「高架下の開発着手へ」と伝えた。生まれ変わる同駅の周辺では、オフィスビルの建て替え、30階建てマンションの計画も進んでいる。
市長、エキナカに言及
1月10日、朱鷺メッセ(中央区)で新潟市の成人式が開催された。新成人を前に、中原八一市長は挨拶でこう述べた。
「今、新潟市は大きく変わろうとしています。皆さんは新潟駅をリニューアルしているのを知っておられますか。60年以上前の1958年にできた駅舎は間もなく解体され、新しい駅舎が姿を現します。駅の真下にバスの乗り場が移り、エキナカには大規模な商業施設が入ります…」
市民、県民に親しまれたJR新潟駅の駅舎だが、中原市長が挨拶で述べたとおり、同駅が現在地に移転し、駅舎が完成したのは1958(昭和33)年。当時、一帯は田んぼや湿地だったらしい。その後、駅前に新潟帝石ビルディングや旧マルタケビル、旧三井物産ビル(既に解体)などが次々と建設された。
ゼネコン関係者が面白い話をしてくれた。
「駅前にあるビルの敷地なのですが、例えば300坪、すなわち1反とか、その面積の単位から、かつて田んぼだったことがうかがえるんです」
昨年11月からJR新潟駅では万代口駅舎の解体工事が進められている。
「昔はディーゼルでも電車でも汽車と呼んでいましたが、汽車で新潟駅に着くと、地下の改札口が『名店デパート』に直結していて、都会だなって思ったものです」(同)
新潟市が進める「新潟駅周辺整備事業」は、「鉄道高架化」、「幹線道路整備」、「駅前広場整備」の3要素からなる。3年前に高架化第1期となる新幹線と在来線の同一乗り換えホームが完成。一昨年には駅の南北を結ぶ「新潟鳥屋野線」が供用を開始した。鉄道の高架化で踏切がなくなった道路だ。
一部残っている在来線の高架化は、来年度(21年度)末で完了する見込みだという。JR東日本新潟支社によれば、「(1番線から5番線まで、高架ホームの全面供用は)国の検査や試運転の後になる」という。「高架化が完了した駅直下のバスターミナルは22年度に、万代口駅舎が解体された跡地を含む部分に整備される万代広場は23年度に利用開始を目指す」とされている。
注目の高架下(エキナカ)の商業施設だが、篠田昭前市長の時代でもほとんど触れられてこなかった。市議会では17年12月、当時の都市政策部長が「(高架下空間の)商業利用については、鉄道事業者がスペース活用の一つとして検討を進めています」、と答弁したことがある程度だ。…続きは本誌