閉店・廃業ラッシュで深刻化する 新潟駅前・古町の空洞化
2020年11月27日
「Go To Eat キャンペーン」などの政府の支援策もあって、コロナ禍で一時は存亡の危機に瀕していた飲食業界が息を吹き返しつつある。しかし客足が戻ってきているのとは裏腹に、業界では複数店舗を経営する飲食チェーンが不採算店を閉める動きが加速している。繁華街で今、何が起きているのか?
飲食チェーンが不採算店に見切りをつけて
コロナ禍で大打撃を受けた飲食業界にとって、2020年は忘れたくても忘れられない一年となったに違いない。
県都・新潟市の新潟駅周辺や古町などの繁華街では経営難による閉店・廃業が相次ぎ、現在もシャッターが閉められている建物が数多く見受けられる。
関係筋が話す。
「個人で1軒だけ経営している店が閉店すれば、それはすなわち廃業を意味します。私の知り合いの経営者はコロナ禍で売り上げが激減したため貯金を取り崩してやり繰りしていましたが、それでも店を支えきれませんでした。閉店したのは5月のことです」(新潟駅周辺の飲食店主)
4月7日、政府は7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。同月16日にはその対象を全都道府県に拡大した。当然ながら本県でもさまざまな業種に対して休業や営業時間短縮の要請がなされたのと同時に、個人に対しては外出自粛を要請。
これを受けて新潟駅周辺や古町などの繁華街では、飲食店が一斉に「臨時休業」の貼り紙をする一方で、閉店・廃業する店も相次いだ。
別の関係筋が話す。
「個人経営の店など1カ月も無収入になったらやっていけませんよ。緊急事態宣言が出された4月から5月にかけて閉店が続出しました」(古町の飲食店主)
4月末に閉店した古町5番町の居酒屋「古里」もそんな店のひとつ。当初は「休業」の貼り紙がなされていたが、営業が再開されることなく物件自体が売りに出されて現在に至る。
前出の関係筋が続ける。
「古里が開業した正確な時期は分かりませんが、少なくとも30年ぐらいは営業していたはずですよ。カレーもつ煮込みが人気の店で、当初は5月末まで営業する予定でしたが、それまで持たずに1カ月前倒しで閉店したようです。経営体力のない個人経営の店はいったん資金繰りが狂ったら、ひとたまりもありません」 (同)
もっとも営業面で大きな痛手を受けたのは個人経営の飲食店にとどまらず、複数店舗を経営する飲食チェーンも同じだ。
さらに別の関係筋が話す。
「個人経営の店は売り上げが減ろうが資金繰りが悪化しようが、営業がギリギリ続けられるうちは店を開きますよ、オーナーの収入源はそれしかないわけですから。
これに対して、何軒か店を経営している飲食チェーンは割と早い時期に不採算店に見切りをつけて、思い切って店を閉めましたよね。要するに儲からない店を閉めて、生き残りを図ろうという戦略ですよ」(飲食店業界関係者)…続きは本誌