数十年ぶりに市を二分 三条市長選の混沌
2020年10月27日
国定勇人前市長の辞職に伴う三条市長選は11月1日告示、同8日に投開票が予定されている。出馬を予定するのは前市議の名古屋豊氏、弁護士の滝沢亮氏。同市長選は何十年ぶりかに市を二分するような本格的な選挙戦に突入している。
三条市長の格式
「ここへきて市長選が盛り上がって来ています。これまで市長選があるにはありましたが、およそ結果が見えるようなものでした。まちなかが熱くなるような市長選は何十年ぶりではないですかね。今年は新型コロナの影響で、八幡様のお祭りもなかったから、その分余計に熱が入っているみたいです」 (三条市内の60代男性)
例年5月に三条の鎮守、八幡宮の春季大祭として催されるのが「三条祭り」。10万石の格式をもつ大名行列で知られる伝統行事だ。それが中止になった分、市長選が過熱しているという。
空席だった衆院4区の自民候補に内定していた国定勇人前市長だが、9月25日、市議会議長に辞表を提出。10月14日を最後に、三条市役所を去っていった。同市長の辞職に伴う三条市長選は11月1日告示、同8日に投開票が予定されている。
立候補を予定しているのは前市議の名古屋豊氏。過去3回の市議選は連続してトップ当選だったという。青学大卒の47歳。出馬表明を行ったのは9月29日だった。次いで10月11日に立候補を表明したのが弁護士の滝沢亮氏。一橋大卒、東大法科大学院修了の34歳。東京で法律事務所に勤務した後、2年前、市内に法律事務所を開設していた。
選挙戦は先行した名古屋氏を滝沢氏が追う格好で展開しているとされる。その中身はともかくとして、「三条祭り」の「10万石の格式をもつ大名行列」ではないが、「三条市長には、それなりの格をもった人物が就任する伝統がある」という。
「合併前の三条市ということになりますが、三条の場合、旦那衆と申しますか、これまで商工業で一定の実績を持つような企業の関係者が市長を務めてきました。最近で言えば合併前の長谷川長二郎さん、そして旧栄町、旧下田村との合併を実現した高橋一夫さん。国定前市長は高橋さんの後継ですから、国定さんまではこうした伝統が生きていたということになりますかね」(古参の自民党関係者)
果たしてこうした「伝統」が、今回の三条市長選でも発揮されるのか。それは蓋を開けてみなければ分からない。…続きは本誌