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2024年11月21日

逆流性食道炎

2020年08月27日

あきはクリニック
坪井 清孝 院長

 

■医師データ
坪井清孝。金沢医科大学卒。新潟大学医歯学総合病院、新潟白根総合病院、新潟県立吉田病院、新潟県立新発田病院、五泉中央病院を経てこの5月に開業。

 

食後に胸やけがする、のどに酸っぱいものがこみ上げてきたり(呑酸)、げっぷが出たり、そんな症状が出てきたら、逆流性食道炎かもしれない。そこで今回は、悪化すると不快なだけでなく、QOL(生活の質)まで下がってしまう可能性がある逆流性食道炎を取り上げる。解説は、あきはクリニックの坪井清孝院長にお願いした。

 

「逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することにより引き起こされる病気で、日本で増加傾向にあります。

 

代表的な症状としては、胸やけ、呑酸、げっぷ、胃もたれなどですが、慢性的な咳など喘息に似た症状やしゃっくり、胸痛などを伴うこともあります。

 

胃酸が逆流する原因としては、食事の欧米化や高脂肪食、食べ過ぎ、早食い、肥満などが指摘されています。また、衛生環境の改善や、胃がん予防としてピロリ菌の除菌治療の普及により、近年ピロリ菌感染者が激減し、高齢になっても胃酸分泌が活発な元気な胃の人が多くなり、胃酸過多による逆流性食道炎が増えているという現代的な側面もあります。さらに、加齢に伴い胃と食道の境目の締まりが緩くなり、胃酸が逆流しやすくなることも大きな原因であり、加齢もリスク因子の一つとなります。

 

診断は、詳しい問診により特徴的な症状が確認できれば特別な検査を行わなくても可能であり、治療を開始することができます。診断と治療には、必ずしも胃カメラは必要ではありませんが、食道がんや胃がんなど他の病気ではないことを確認するためにもなるべく検査を受けていただくことをお勧めします。胃カメラで食道粘膜の障害が確認されれば確定診断となり、重症度の判定もできます。…続きは本誌

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