長岡市 “忍法入札隠しの術”は不正の隠れ蓑にならないか⁉
2020年07月27日
「この手があったか!」と、思わず膝を叩きたくなる。ある種の業務について、誰にも知られずコッソリと入札を行い、その結果も易々と見ることができないようにする方法だ。「米百俵」の伝統を誇る長岡市が行っている「忍法入札隠しの術」みたいな代物。でも公開が大前提の入札に忍術を使うのはアンフェアで、不正の温床になるのでは?
エッ、入札隠し!?
以下は県内の建設関連業者による指摘だ。今年度に入ってからの話らしい。
「長岡市の農林関係の部署で橋梁の点検業務が発注され、市内大手の業者が連続して落札しました。しかし市の入札契約のホームぺージを見ても、それら業務の発注に関する情報も、落札結果もなぜか公開されていないんです。決して少額ではなく、数百万円以上の業務なのに。何か開示したくない理由でもあるのでしょうか」
今時はどこの自治体でもネット上で入札結果などを公開している。長岡市が発注する工事や、設計、測量などの委託業務、あるいは物品に関する「入札契約情報」もネット上にあって、誰でも簡単に見ることができる。平日の午前8時から午後9時まで閲覧可能で、平成21(2009)年から現在まで、入札や契約の結果など、各種の関連情報が公開されている。
新潟市の場合、入札契約情報に加え、関連する規則や要綱、あるいは書式なども網羅したサイトが1年365日、24時間閲覧可能だ。やはりネット上にある「新潟県入札情報サービス」では、県のほか県内9市1村の入札契約情報が公開されている。平日の午前6時から午後11時まで利用可能(土曜日は午前8時30分から午後5時まで)。各種の工事、委託業務の入札結果を含む関連情報が閲覧できる。ただし公開されているのは昨年度と今年度分だけで、長岡市や新潟市ほど過去にさかのぼることができない。
冒頭の指摘は、「ネット上にある長岡市の入札契約情報を見ても、落札結果などが出てこない案件がある」というものだった。これ、別に不自然な話ではない。新潟市の場合、〈電子入札システムを用いないで行った契約は含みません〉とある。紙で実施された入札の結果はネット上の公開サイトでは出てこない。
建設関連業者の指摘だから、そんなことはとっくに承知のはず。それでも「何か開示したくない理由が…」といぶかしがるのは、長岡市には特異な事情があるかららしい。…続きは本誌