格落ち・凋落の新潟県を憂う「10の指標」
2018年06月27日
6月12日、初めての当選を果たした花角英世新知事が初登庁した。県庁の正面玄関では、およそ600人もの職員らが出迎えたという。これほどの数で迎えられたのは、ここ何代かの知事ではなかったことらしい。これも同知事への期待感の表れかもしれない。長期低迷の閉塞感が充満する本県。花角県政で、格落ち、凋落を示す指標を何としてでも好転させていただきたい。
この県のかたち
明治の頃、新潟県の人口は東京府(当時)などを抑え、10 年以上も全国1位を維持し続けたという。それが今は47都道府県で15位。上位グループに位置するものの、仙台市を擁する宮城県( 14 位)、北陸新幹線の開業効果に沸く石川県(34位)などに比べ、本県の人口減少率は急激だ。
田中角栄元首相の時代、新潟県には新幹線や高速道路などが集中整備された。こうしたインフラをバネに、本県は大きく飛躍するはずだった。それが今はどうか? 「田中元首相時代の遺産を食いつぶしている」と言っても過言ではない。
自慢だった港や空港の利用は低迷が続き、これを打開する有効な手立ても打ち出せないままでいる。農業県を自認する新潟だが、魚沼産コシヒカリは食味ランキングで特Aから転落。本県の農業産出額は、既に全国トップ10外に落ちてしまっている。産業政策も決定打を欠いている。県民所得は伸び悩み、隣接する富山県との格差はいっこうに縮小しない。
2年前、突如として意味不明の理由で「知事選からの撤退」を表明した元知事。そして前代未聞の不祥事で辞職した前知事。長期低迷が続く新潟県だが、今や県政への信頼までもが地に落ちてしまったと言っていい。
多くの県民が本県の格落ち、凋落を実感し、県民の間には言いようのない閉塞感が充満している。そこで迎えたのが今回の知事選だった。県政の信頼回復、そして長期の低迷から脱し、いかにして本県の活力を回復するかが喫緊、かつ大きな課題だ。反転攻勢で、滞った県政を花角英世知事が立て直し、マイナスの指標を何としてでもプラスに好転させることを期待したい。